書評:「そうだ、星を売ろう」 阿智村の奇跡
この東洋経済の記事を見て長野県阿智村に興味を持った人も大勢いるのではないでしょうか。
-----あらすじ-----
客の減少に悩む昼神温泉の人々。
環境省が認定した「星空が最も輝いて見える場所」に着目し、自分たちにしかない体験型のツアー、「日本一の星空ナイトツアー」を開始。
開始時は関係者以外わずか3名だった客が、数年で年間6万人が訪れる場所へと変貌を遂げるまでのストーリー。
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本当にあった、長野県阿智村の話を元に書かれた小説です。
上記の東洋経済の記事で非常に興味が沸いて、まず阿智村に行きたくなりました。売れるものには理由がある、ということで、その生い立ちを教えてくれそうな本があったので読んでみたわけです。
本の中では実際にビジネスをするときに役に立つ考え方などがいくつも書かれていて、ビジネス書と言っていいと思います。
ただ、全く堅苦しいものではなく、小説テイストになっているのでどんどん読み進めることができます。
なんでもそうですが、実際の例があれば頭に残りますからね。私の場合だと、これをどうやってなわとびパフォーマンスに生かしていくのか、非常に考えやすいです。
マイナスの点を挙げると、小説としては軽いんです。山あり谷あり、なんですが、特に谷の部分が詳しく書かれていないので、心が浮き沈みするってことはありませんでした。
純粋に小説として楽しみたい、という人にはおススメできません。
視点を変えると
この本が非常に素晴らしいところは、実際に起こったような話を、たったの2時間弱で読むことができる点です。
この本の中にもでてきていますが、近年は体験にお金を払うことが増えてきています。この「日本一の星空ナイトツアー」を申し込んだ人が、今から自分が訪れる場所の事前知識を得る方法としては最高です!
行ったことはないけど、知っている場所・知っている人だと認識しちゃうとすると、それはもうツアーの入り口を跨いでいるんでしょうね。
阿智村に旅行に行く前に是非読んでみてください。
本を読むことを体験の一部にする、というのは新しい発想だなと思いました。
KADOKAWA (2016-04-14)
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