今週の本[統計学が最強の学問である]
東京出張に来た後輩におススメされて読んだこの本。
内容としては、統計学自体の本、というより、統計学を使えばどのようなことができてどんな風に使えるのか実例を基に紹介した本、という感じでした。
学部で統計学を勉強する前に読めば、実社会で応用範囲の広い統計学を勉強するモチベーションが上がると思います。また、大枠を捉えられるので、個別の手法が統計学の中でどのような位置付けかを見失いにくくなる、という点でも統計を勉強する前から読み出すのがとても良い気がします。
心に残っている言葉はこれ。
「判断や行動に影響しないレベルの精度は無意味で、そのためにかけなければいけないコストはムダだ」
精度を上げるためにはコストが必要なので、どこまでのコストが必要かを予め設定しておくことが、コスト最適化に必要、ということですね。
コスト、というとお金に頭はいきがちですが、(労働)時間も重要なコストだなというのが私の最近の実感です。
コストコストコストコスト、そればっかり考えるのも堅苦しいような気もしますが、しかしながら、これを無視して心に余裕のある生活はできないのではないかと、今のところ思っています。
この「精度」の話、実際にどこまで必要かを設定するには、明確な「目的」や「戦略」があれば簡単に定まるはずです。このあたりは以前読んだ森岡 毅さんの本と通ずるところがありますね。
そして、会話に役立つ1ネタとして、「シンプソンのパラドクス」が紹介されています。
「A高校とB高校で同じ模擬試験を受けた。
男子生徒で比べると、A高校がB高校より平均点が5点高かった。
女子生徒で比べると、A高校がB高校より平均点が5点高かった。
この場合、A高校とB高校の平均点はどちらが高いだろうか。」
パラドクスと書いているからにはB高校の方が平均点が高い場合があるわけですが、どんな場合か分かりますか。
こういう、シンプソンのパラドクスのような話を集めた本があれば面白そうで読んでみたいなーと思う今日この頃でした。