技の繰り返し プレゼンテーション パート1 - IJRU Technical Congress blog 5
-----注意-----
この記事はIJRU TECHNICAL CONGRESS blogの記事を基に筆者が書いています。
記事の内容、翻訳の内容はできるだけ正確に書くようにしていますが、この記事(日本語)はIJRU, FISAC-IRSF, WJRFの公式発表ではありませんのでご注意ください。
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公式発表はIJRUオフィシャルHPなどの原典を参照ください。
・を使って箇条書きで示されている部分はブログ内容の要約
その他は筆者の解説など
という風にします。なお、IJRUから翻訳の許可を頂いているため著作権的に問題はありません(但し、上記の通りIJRU, FISAC-IRSF, WJRFに翻訳の結果はチェックされておらず、3団体に内容の責任はありません)。
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今回のもとの記事はこちらです。(11/21更新記事)
tc.ijru.org
- 今回の記事は技の繰り返しについて
- 多様性が勝つ演技の重要な要素である、と技術委員会は考えている
- ルールによって技を繰り返したくなくなるようにできるはずである
- 多くの種類の技を行っている競技者が報われるようにしたい
- 1つの方法は、先週のブログで言及した通り、リクワイヤード・エレメンツを設定することである(先週のブログ記事(翻訳)はこちら)
- 競技者は減点を避けるためには多様な異なるタイプの技をおこなわなければならない(リクワイヤード・エレメンツに対して)
- もう1つの方法は、技が繰り返し行われた場合にプレゼンテーションスコアから減点する方法である
- FISAC-IRSFでは、繰り返された技は(ディフィカルティ)点数に入らなかった(注:WJRFでは繰り返し技に対しての規定は特にない)
- この方法は競技者が技を繰り返さないようにする方法の1つではあるが、最も効果的な方法ではないと考えている
- IJRU(International Jump Rope Union)のシステムでは、(繰り返しているかに依らず)全ての技はディフィカルティジャッジにより審査され、点数が付けられることになる
- 仮に2回目、3回目の技であってもその技は簡単にはならないため、ディフィカルティは審査され、それに応じて点数が付くべきである
- その代わり、技が繰り返される度にプレゼンテーションスコアから減点することをIJRU技術委員会は決定した
- 技を繰り返すことは演技のオリジナリティとクリエイティビティを減らす方向にいくと考えているため、プレゼンテーションスコアから減点することは理にかなっている
- この点を反映させるため、プレゼンテーションジャッジシステムは可能な限り客観的にする予定である
- ジャッジは演技を見ている正にその時にスコアを付けていくことになる
- こうすることで、プレゼンテーションジャッジが技の繰り返しを認める度に減点が行われるようにできる
- FISAC-IRSF、WJRFのどちらも競技者にクリエイティブになって欲しいし、繰り返しを避けて欲しいと思っていた
- 技術委員会はその意見に賛成するとともに、今回提案しているプレゼンテーションジャッジによる方法が最も良いと考えている
- 次週では、プレゼンテーションについて更に詳細に入っていく
コミュニティーからのコメントと返信
- Comment1: インタラクション技はシングルロープのリクエレとして適していると思うが、4つは時間がかかりすぎると思う
- →Answer: インタラクション技とは2人以上が関わる全ての技であり、スクープ(scoop, 縄を持っている1人が跳ばず、縄を操作していないもう1人を跳ばせる技)、補助ありの宙返り技、重なった状態のパワー系の技、グリップの交換技、などがある。行われた技1つ1つにつきインタラクション技1つと数えるので、他のリクエレ要素と比較して時間がかかりすぎるということはないと考えている。例えば、多回旋のスクープをした次のジャンプでクロスのスクープを行った場合、2つのインタラクション技として認められる。以前のジャッジシステムでは一連の技を行った場合は、まとまって1つのインタラクション技となっていたため、定義が違うことに注意して欲しい。新しい定義では、一連の動きであるかどうかに関わらず、それぞれの技1つに対してインタラクション技1つと認定している。ゆえに、今回のリクエレを満たすのに時間がかかりすぎるということにはならないと思っている
- Q1: 減点をゼロにするには、全てのリクエレを満たさないといけないのか、FISAC-IRSFシステムのようにある一定以上のリクエレを満たせばよいのかどちらか
- →Answer: 減点をゼロにするには、リクエレの全てを満たす必要がある。IJRUはFISAC-IRSFモデルのように多くのリクエレを要求しておらず、これによってオリジナルで魅力のある演技を作ることに影響を与えないと考えている。また、リクワイヤード・エレメンツ(要求項目)と言っているのに、全てを満たさずとも減点がゼロになる方法があってはならないと思っている。IJRUシステムではそれぞれのリクエレに対して、満たしていないことで減点されることになっている(加点方式ではない)。いくつかを満たしていない場合はそれに応じた減点となる。例えば、体操系・パワー系技を4つ中3つ満たした場合、減点は満たさなかった1つに対してだけである。4つ中2つ満たした場合は満たさなかった2つに対して減点がある。
- Comment2: クロスはシングルロープフリースタイルにおいて多回旋やパワーと同様に重要な技であり、リクエレに加えるべきではないか
- →Answer: リクエレにクロスを入れることは検討できる。縄操作系技でラップやリリースに加えることもできるかもしれない。ただし、リクエレに加えなくてもクロスは4つ以上行われるような気がしていて、敢えてリクエレに追加しなくて良いかもしれない。あなたはどう思うか。クロスはリクエレに加えるべきだと思うか。加える場合は縄操作系としてラップやリリースに加えるべきだと思うか。または、クロスとして独立して対応するべきか。
- Comment2: ダブルダッチフリースタイルにおいてターナーインボルブメント技はもっと多く必要だと思う
- →Answer: ダブルダッチフリースタイルにおいてターナーインボルブメント技が重要で、ディフィカルティスコアを上げる1つの方法であることは認識している。重要なことは、リクエレが4つだからといって4つ以上のターナーインボルブメント技を行ってはいけないわけではないということだ。競技者はクリエイティブでダイナミックで難しい演技をすることが奨励されている。リクエレは最小の数を規定しているのであって、最大の数ではない。
今回の記事で重要なことは、
- FISAC-IRSFシステムとは異なり、WJRFシステムと同様に、繰り返し技であってもディフィカルティ点がつく
- 但し、繰り返しによるプレゼンテーション点の減点がある