~おかもん放浪中~

縄の魔術師、おかもん!なわとび(単なわとび・ダブルダッチ・2in1など)の紹介の他、五ヶ国語制覇への道も!

団体毎のスタッフ義務を、全日本ロープスキッピング選手権大会に導入するための考察

先日、第13回全日本ロープスキッピング選手権大会(13JC; 13th Japanese Rope Skipping Championship)が開催されました。

私が最初に参加したのは第2回大会、11年前ですね。私のなわとび人生はここからスタートしたわけで、大会の関係者には非常に感謝しております。

 

こちらのページにあるように、全日本はもともと個人戦の単なわとびだけでスタートしたわけですが、団体戦の導入、団体戦・フリースタイルの導入、とどんどんFISAC世界大会に近くなってきています。

日本では競技者が少ないなど理由で、個人戦をメインとして大会が開催されてきた。 しかし、第6回大会(6JC, 2010年)から団体戦のダブルダッチスピード、第8回大会(8JC, 2012年)では団体戦の単なわとびスピードリレー、更に第11回大会(11JC, 2015年)では団体戦フリースタイルが導入され、競技種目がFISACの世界大会と近くなってきている。

また、それと共に参加者の数がどんどん増えて、特に小学生のレベルが急速にアップしています。

 

スタッフ問題

ここまで大会が大きくなってくると、運営に多大な労力がかかっていることは想像に難くありません(ざっと出場者を眺めたところ、団体戦16チーム前後、個人戦130名前後。団体戦6種目、個人戦5種目)。

計測ジャッジ、フリースタイルジャッジ、集計係、誘導係、などなど、かなりの人数がスタッフとして動いていたものと思います。

ここで私が気になるのは、誰がスタッフをしているのだろう、ということです。

私の経験と伝え聞くところに拠ると、全日本のスタッフはボランティアであることが多いです(交通費に満たない額とお弁当くらい)。私の場合、最初の頃はボランティアでも問題なかったのですが、年々モチベーションが上がらなくなりました。同様の声を何人かから聞いています。

 

 今回、運営に全く関わっていないので詳しくは分かりませんが、特定の団体から多くのスタッフが派遣されていたように思います。自分の子供や教え子が出場するときには近くにいたいですよね。スタッフをするとそれができない。

この負担を出場者で均等に分担するのが適切ではないかなというのが本記事の趣旨です。

一つ注意して欲しいのは、この記事は批判をしたいわけではない、ということです。他の団体の例を挙げて、こういう方法もあるけど、もし問題に思っているのなら一度検討してみてはどうでしょう、という「検討の提案」です。

 

 

まずはJRSFの上位団体であるFISAC-IRSFのスタッフ提供ルール、そしてもう1つの世界大会であるWJRのルールをみていきます。

FISACの場合(国別対抗)

  • 各日毎に、その日出場する団体戦2チームか個人戦1.5人に対して、level4フルジャッジ1名(ハーフジャッジの場合は2名)
  • ジャッジを提供できない場合のペナルティーは、1つの種目1人のジャッジにつき250ドル(3万円弱)
  • ペナルティーを支払えない場合には、失格
  • 初めて参加する国に限って、ジャッジを提供する義務はない

Judging Manual Article 2 Registration of Judgesより

 

WJRの場合(団体別対抗)

  • 選手4人に対して、ボランティア(ジャッジかスタッフ)を1名提供(具体的に書かれていないが、FISACと同様に、各日毎に、のはず)
  • ジャッジ、誘導、集計、計算、アシスタント、など

2017-WJRCC-Registration-Packet-production P.10 WJRCC Volunteersより

 

世界大会の規定考察

WJRのこの規定はここ数年で出てきたもので、罰則の規定はまだありません。名前の通り”ボランティア”であり、各チームが積極的に運営に協力することを望んでいるようです。

FISACのジャッジ提供、罰則規定は少なくとも私がジャッジとして参加した2012年から存在していますね。

 

FISACとWJRは、そもそもの運営の仕方に大きな違いがあるために、スタッフ提供規定が細かく見ると違っています。しかしながら、選手を一定数派遣するなら運営を手伝ってくれよ、という意識は共通しています。

 

日本で適用するとしたら

1日目(計測)

今回の計測はA-Fの6ステーションあり、それぞれ3人のジャッジがいたと思います。合計18人。ジャッジ以外のスタッフがその倍いたとしてスタッフ合計36人

個人戦130人出場で、1人3000円を負担すると、39万円。

交通費込みでスタッフ1人1万円くらいあれば、とりあえずなんとかなるような気がしますのでクリア。

スタッフ1人の価値を1万円とすると、出場1人3000円負担なので、大体3-4人出場に対して1人のスタッフを出すことと等価になります。

2日目(フリースタイル)

フリースタイルジャッジは8人、ジャッジ以外のスタッフは上記と同じく18人いたとして、スタッフ合計26人

114人出場で、1人2500円負担すると28.5万円。

同様に考えると、4人出場に対して1人のスタッフを出すことと等価ですね。

 

上記試算は、1,2日目共にFISAC, WJRと比べられる内容ですので、大会の規模に関わらずこれくらいの内容になるようです。

 

まとめと規定例

ここまでのまとめは、

  • 全日本大会の出場者が増えていて、スタッフがボランティアだけでは大変そう
  • 世界大会であるFISACとWJRには、出場人数毎にスタッフの拠出規定がある
  • FISAC,WJRでは、スタッフの負担は出場者で公平に負担するという意識が元にある

世界大会規定と13JCの出場人数を参考に、ざっくりと計算した例として、

  • 3,4名の出場に対して1名のスタッフを出す
  • スタッフが出せない場合は1日1名につき3000円程度負担して、足りない分のスタッフはそのお金で賄う(1日1スタッフ1万円)

 

残っている問題

当日までの準備のスタッフに対してどう報いるのか、というのは次のステップでしょうか。前のステップでしょうか。

こちらも同様に、大きな団体毎に何名か出してもらうなり、年会費をあげるなり、の方法が考えられます。

 

これらの方法は、色々な場面で応用できる考え方だと思いますので、読者の皆様の今後の活動の一助になれば幸いです。

 

(最後に)

  1. スタッフはある意味労役なわけですが、自分の団体にスタッフをしている人がいるというのは結構メリットでもあるわけです。実際の運営側の知識は結構役に立ちますからね。
  2. 適切なインセンティブ(動機付け)を設定して、色々と面白そうなことが実験できるような気もします。
  3. 仮にお金をもらっていたとしても、1万円程度の謝礼ではスタッフは全然割に合わないわけで、スタッフに多くを求めるのは違うと思います。スタッフにそれなりのレベルを求める時には、それなりの対価が必要ですよね。
  4. フリースタイルジャッジなんて本番の前に、あんなに難しい細かいルールを膨大な時間をかけて習得して、毎年変わるルールに追いついて、更にそれをリアルタイムでジャッジできるように練習する、なんて凄いです。高度専門職。
  5. スピードジャッジは正解が存在するものを追い求めるもので、これはプレッシャーが半端ないです。長時間に渡り一瞬も気を抜けない集中力、正直に言ってあまりやりたくはないやつですね。寒くて指がスピードに追い付かない時ありますし。