~おかもん放浪中~

縄の魔術師、おかもん!なわとび(単なわとび・ダブルダッチ・2in1など)の紹介の他、五ヶ国語制覇への道も!

競技者と演技 プレゼンテーション パート2 - IJRU Technical Congress blog 6

-----注意-----

この記事はIJRU TECHNICAL CONGRESS blogの記事を基に筆者が書いています。

記事の内容、翻訳の内容はできるだけ正確に書くようにしていますが、この記事(日本語)はIJRU, FISAC-IRSF, WJRFの公式発表ではありませんのでご注意ください。

また、誤字脱字、内容の間違いにより生じた損害等に対する保証はできませんので予めご了解ください。

公式発表はIJRUオフィシャルHPなどの原典を参照ください。

 

・を使って箇条書きで示されている部分はブログ内容の要約

その他は筆者の解説など

という風にします。なお、IJRUから翻訳の許可を頂いているため著作権的に問題はありません(但し、上記の通りIJRU, FISAC-IRSF, WJRFに翻訳の結果はチェックされておらず、3団体に内容の責任はありません)。

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今回のもとの記事はこちらです。(11/28更新記事)

tc.ijru.org

  • 今回の記事はプレゼンテーションジャッジについて引き続き
  • 2種類のプレゼンテーションジャッジとそれぞれがどの部分を分担するのかを紹介する
  • 今回の記事で、先週の「技の繰り返し」についてもう少しクリアになるかもしれない
  • WJRFでは3人のプレゼンテーションジャッジがいて、テクニカルプレゼンテーションとエンターテインメント性を評価していた
  • タブレットスマートフォンアプリを使い、リアルタイムで+/✓/- のボタンを押すことでスコアに反映させていた
  • +は素晴らしい、✓は普通の、-は悪い、という評価だ
  • 3人のジャッジというのはプレゼンテーションを評価するにあたって少なすぎると考えている
  • しかし、電子デバイスを用いてリアルタイムでスコアをインプットするというアイデアは気に入っている
  • この方法を用いれば、演技終了後にジャッジが集計する際、各種バイアスや人為的ミスが起こるのを防げると期待している
  • FISAC-IRSFでは、5人のプレゼンテーションジャッジがいて、音楽の使用、ビートに合わせた跳躍、移動、姿勢と実施、オリジナリティ、全体の印象を評価していた
  • プレゼンテーションジャッジは、例えば競技者が音楽を使用したタイミングで紙にマークし、演技が終了した後にマークの数を数えて集計する必要があった
  • FISAC-IRSFが5人のプレゼンテーションジャッジを配置し、6つの異なるカテゴリーで評価していた部分は良い考えだと思う
  • しかし、電子デバイスを用いることで潜在的な集計ミスを排除するのに役立つと考えている
  • また、2つの異なるプレゼンテーションジャッジを配置することで、ジャッジが少ない項目の評価に集中できると考える
  • 技術委員会はプレゼンテーションジャッジを2つに分けることに決定した
  • 1つは演技の振り付け(コリオグラフィー)を採点し、もう1つは競技者がどのくらいうまく実施しているのかを採点する
  • 少ない項目を見るということでジャッジの負担が減りジャッジが易化し、一貫性のある採点に近づくと考える
  • それぞれに何人のジャッジを必要とするかはまだ決まってはいないが、最低でもそれぞれ3人にはなる予定であり、これはWJRFとFISAC-IRSFのどちらよりも多い

プレゼンテーションジャッジ タイプ1:競技者プレゼンテーション

姿勢と実施

  • 姿勢:技中に背が丸まっていないか、体操技で脚が曲がっていないか、プッシュアップでお尻が上がっていないか。きちんとしたフォームと姿勢で行った場合により印象的になる技は数多く、姿勢と実施はジャッジされるべきだと考える。
  • 振幅(Amplitude):技中に競技者がどの程度高く跳んだか。例えば、多回旋やパワー、体操系の技は高く跳んだときにより印象的になり、演技がよりエキサイティングになる。
  • バブル・ぶれ・なわの弧:マイナー・メジャーミスという概念をなくしたため、バブル(縄が体にかするなどしたがミスにはならない時)・ぶれ・縄が体に触れたが止まらなかった場合(ミスにはカウントされない)などを評価する必要があると考える。これらは全体のパフォーマンスの質を損なうため、ジャッジされるべきだと考える。

スタイル

  •  自信:床を見ている競技者よりジャッジと観客にアイコンタクトがある競技者を評価する。"自信"が演技の総合プレゼンテーションを向上させる。
  • プロフェッショナリズム:競技フロアにいるときに競技者がどのようにふるまうかで総合プレゼンテーションは変わる。競技者にはプロフェッショナルなふるまいをして欲しい。例えば、ミスの後に笑ったり、やる気のない表情をしていたり、演技中にチームメイトに文句を言ったりするとプレゼンテーションにマイナスに働くはずで、スコアに反映される。逆に、しっかりと準備されたプロフェッショナリズムを持った競技者は高く評価される。
  • 外見・容姿:競技者にはプロフェッショナルに見せて欲しいが、1つの要素は外見である。ユニフォームはクリーンで髪は顔を隠さないようにし、演技に支障がでないようにする必要がある。また、宝飾品類を付けている場合には演技を妨げないようにする必要がある。
  • ショーマンシップ・ステージでの存在感:人柄や、どのように競技者が観客から注意を引きつけるかをジャッジする。素晴らしいパフォーマーは観客を引き込み、一体感を作る。

 プレゼンテーションジャッジ タイプ2:演技の振り付け(コリオグラフィー)

 エンターテインメント

  • クリエイティビティ・ユニークネス:勝つための要素でクリエイティビティを重要な要素だと定義した。ユニークな技、コンビネーション、振り付けは演技のエンターテインメント性を向上させる。
  • 繰り返しの少なさ:繰り返しの技があると演技のエンターテインメント性が低くなる、すなわち、観客は飽きてくる。これは、同じような見た目の技を多く取り入れている演技も同様である。繰り返し要素が多いと、この項目の点数は低くなる。
  • 移動:競技フロアを動き回る演技はエンターテインメント性が高い。競技者が演技全体にわたって同じ場所にいた場合、繰り返しに見え、観客はダイナミックでエンターテインメント溢れているとは感じない。競技フロアを動き回り、クリエイティブで予測できない動きをすると高い点数が得られる。
  • 流れ:途切れ途切れに見える演技は、演技開始から最後までスムーズで流れるような演技よりエンターテインメント性が低い。スムーズな移行をすることでプレゼンテーションスコアは上がる。
  • ワオ(Wow!)要素・予期できない技:振り付けや技の選択をするときに、競技者にはギリギリの境界を攻めて欲しいと思っている。印象的で予期できない技をするとワオ(Wow!)要素が付与され、加点対象になる。ただし、完璧でない技を行って欲しくはない。落ちたりよろめいたりすると減点対象である。

 

音楽性(Musicality)

  • ビート・アクセント:振りが音楽と合っていると観客はエキサイティングするし、音楽の使用は全体のプレゼンテーションを向上させる。競技者がジャンプに合わせてビートに合わせたりアクセントを打てば高いプレゼンテーションスコアになる。
  • 物語性・ムードマッチ:流れる音楽に合わせて振り付けのスタイルやムードを変えることは物語性を演技に持たせる1つの方法である。

 

 追加情報

  • いくつかのカテゴリーや要素が重複していることは認識している。現在は、みなさんからのフィードバックに期待している。このシステムの中で入っていないプレゼンテーションの項目はあるだろうか。
  • プレゼンテーションでどういう点数配分にするのかはまだ未定である。まずは、ディフィカルティ(難易度)テーブルに加えて、プレゼンテーションの評価カテゴリー・要素を決めるところからスタートしている。これが完了すれば様々なレベルの演技でシステムをテストする予定である。
  • 下記にプレゼンテーションに関して2つの重み付けに関する方法を書く。これらについてみなさんからのフィードバックを期待している。
  • 1. それぞれのカテゴリーは同じ割合の点数になる。例えば、プレゼンテーションが総得点の40%であった場合、それぞれのカテゴリーは20%ずつとなる。さらに、4つの要素がそれぞれ均等に10%ずつを占める。このシナリオでは、それぞれのカテゴリーと要素を等しく評価しているということになる。
  • 2. 何かの要素を他より高く評価する。例えば、振り付け(コリオグラフィー)カテゴリーを25%、競技者プレゼンテーションを15%の配点にする。更に、その下にある要素の配点も違うように重み付けする。このシナリオでは、振り付けを重要視しているシステムになる。

 

 コミュニティーからのコメントと返信

ここから下は要点だけ書きます。

  • Q1: 繰り返しの定義は何か?
  • A1: 全く同じ技をした時が繰り返しになる。ドンキーとドンキーtoCross、ダブルアンダードンキー、ドンキーtoASは全て異なる技である。ダブルダッチの場合、2人がシンプルなドンキーを行った場合に繰り返しになり減点となるが、ジャッジの判断が難しいことは認める。繰り返しが明らかな技のみ減点されるということになるだろう。実際に全く同じ技ではなくとも、同じような技を続けていた場合にプレゼンテーションが低くなることは想像に難くない。例えば、足の下のクロス系などがないシンプルなサイドスイング、オープン、クロスで構成される多回旋系をずっと続けていた場合、エンターテインメント性は低くなる。プレゼンテーションは主観的な判断になることも多いが、ジャッジトレーニングを利用してできるだけ正確で客観的になるように努力する。
  • Q2: 繰り返し技の問題をディフィカルティジャッジからプレゼンテーションジャッジに移しただけで、プレゼンテーションジャッジが本当に繰り返しをジャッジできるのか。繰り返し技がないかを見るだけのジャッジがいてはどうか。
  • A2: 繰り返しの技と繰り返しの振り付けはオリジナリティ・ユニーク技と正反対であり、プレゼンテーションジャッジ(特にエンタテインメント性をみるジャッジ)が繰り返しをジャッジすることは筋が通っていると考える。プレゼンテーションジャッジを2つに分けるため、多くをジャッジに求めすぎているということはないと考える。
  • Q3: 全体のルール案を早く出して欲しい。10月には送られてくると言われていたはずだ。このルールを基に各国でどう実施していくか決めていく必要がある。
  • A3: コミュニティーのみなさんが早く全体を知りたいということは重々承知しているが、時間をかけてそれぞれのルールをしっかりと議論し、合意を取りながら進めていきたいと思っている。2018年10月から2019年1月までに80%のルールは伝えられるとディレクターが言ったが、このブログがその一翼を担っている。2019年の1月末か2月頭に第1稿を出す予定で、2019年7月のAGMまでに相談したりフィードバックしたりできる時間を十分とりたい。
  • 全体のルールをまとめる作業はすでに始まっているが、時間がかかることを理解して欲しい。